道頓堀の静寂な夜

小林柯白《道頓堀の夜》1921年(大正10)

小林柯白は大阪市北区に生まれ育ちました。本作は生粋の浪花っ子であった柯白の、写実的な表現を試みた初期の意欲作です。賑やかなイメージの道頓堀を静かな夜の一コマとして描いています。芸妓を呼んで賑やかな宴会が繰り広げられているはずなのに、「俗」の要素は一切描かず、喧騒を感じさせない幻想的な別世界が広がっています。川には大阪の名物として知られた牡蠣船が繋がれ、漏れる光は幻想的に川面を照らしています。

項目 内容
大阪の力 都市の力
所蔵施設 大阪中之島美術館
カテゴリー 高精細