大阪の宝は、大阪のアイデンティティ

大阪は、古代から中近世を経て現代に至るまで、一貫して「都市」として栄え、様々な人々が活躍するとともに、こうした人々によって自然・科学を含む多種多様な文化遺産が収集・蓄積されてきました。また、全国の自治体に先駆け、博物館・美術館の整備を進めた結果、多くの収集家から数多くの貴重なコレクションを託されてきました。

これらは、長きにわたり当地で育まれてきた品々で、現在も(地独)大阪市博物館機構の博物館・美術館において大切に守られ、人々に感動を与えるとともに、大阪のアイデンティティの象徴として未来社会に引き継ぐべき、まさに「大阪の宝」です。

今回はその中でも、特にその収集に関わった先人や継承の履歴を通じて、それらを育んできた都市大阪の魅力を体感できるような各館の代表品20点ずつ、合計120点を「大阪の宝」として選定しました。「大阪の宝」を育んできた都市大阪の魅力を「大阪の力(チカラ)」と表現し、「大阪の宝」の来歴や作品等が持つストーリーを順次公開していきます。

2025年大阪・関西万博が開催される2025年には、各館で多くの「大阪の宝」を実際に展示します(※大阪中之島美術館での展示は一部のみ)。

<地方独立行政法人大阪市博物館機構が運営する博物館・美術館>
大阪市立美術館
大阪市立自然史博物館
大阪市立東洋陶磁美術館
大阪市立科学館
大阪歴史博物館
大阪中之島美術館

大阪の宝 大阪の力

大阪の宝にはさまざまなストーリーがあります。
大阪の宝とそのストーリーを5つの「力(ちから)」に分けて紹介します。

市民の力

大阪という都市の文化を作り上げたのはまさに大阪に暮らし、大阪を愛した人びとでした。江戸時代、知の巨人と言われた木村蒹葭堂のように傑出した業績を遺した人びともいれば、優れた見識や地道な活動によって貴重なコレクションを築きあげた個人コレクターや博物館に集った人びとの存在も見逃せません。このような時代を超えた大阪の「市民」のチカラが後世に伝えるべき大阪の宝を築きあげる原動力となったのです。

都市の力

アジア、そして世界に開かれた日本の玄関口としての役割を長らく果たしてきた大阪。その立地の重要性から時代を重ねることで育まれてきた都市大阪は常に豊かな富と多様な文化、そして才能豊かな人材が集まり、刺激的な出会いと活発な交流が生まれる拠点となりました。その都市のチカラが背景となって大阪には多くの宝が蓄えられ、それらを愛した人々のリレーによって現代に伝えられてきたのです。

未来への力

大阪では現状に飽き足らず、好奇心を元に謎に挑み、探求を進める人々、現状を変えようと芸術に挑む人々、暮らしの道具に改良を加え続ける人々の営みが繰り広げられてきました。また歴史の教訓に学び、より良い未来社会を創り出そうという活動も積極的に取り組まれてきました。こうした未来志向をもって生み出され、価値づけられてきたものは今後にも継承されるべき世界的な宝を含むものであり、さらなる宝の出現をも予感させます。

芸術の力

芸術は人類の根源的な創造活動であり、人間を人間たらしめる不可欠な存在です。大阪では古代よりさまざま芸術が生み出され、また国内外からも多様な芸術作品が集積され、都市と人びとに活力をもたらしてきました。そしてこれらの作品は変動しつづける社会のなかで現代のわたしたち、そしてこれからの人びとの「生」を支え、創造していく大阪の宝なのです。

風土の力

人の情熱が作り上げた様々な作品やコレクション、研究だけでなく、大阪という土地の自然環境や立地条件、そこで積み重ねられた歴史や培われた文化が背景となって生まれた宝も多くあります。これらの大阪の宝は、大阪という場所で受け継がれ、見られることによって、より良く理解され、その価値を発揮する宝となります。大阪という場所を理解するためにも重要な宝と言えるでしょう。

大阪の宝コレクション

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