枕から花入に変身

青磁陽刻 双鶴文 枕 高麗時代・12世紀 (住友グループ寄贈/安宅コレクション)写真:六田知弘

高麗時代に高級日用品として用いられた青磁の枕です。頭をのせるため、中央部はややくびれています。胴面には図案化された二羽の鶴が表され、繊細な彫りが見事です。日本に請来された後は、片方の側面が四角く切り抜かれ、花入として使われました。大徳寺芳春院の伝来で、箱書きから花入に見立てたのは17世紀に大名茶人として活躍した小堀遠州(こぼりえんしゅう)と考えられます。「見立て」の面白さが感じられる希少な伝世の高麗青磁です。

項目 内容
大阪の力 芸術の力
所蔵施設 大阪市立東洋陶磁美術館
カテゴリー 高精細