青磁陽刻 双鶴文 枕

中央部がややくびれた長方形の枕です。胴面には図案化された双鶴文が陽刻で施されています。こうした枕は、高麗王室の官立宿泊施設である恵陰院跡でいくつも出土例があり、実際に高級日用品として用いられたようです。ところが、このようにもともと枕であった本作は、日本に請来された後、江戸時代に片方の側面を四角く削って穴をあけて、花生として使われました。韓国の新安沖から発見された沈没船(1323年)は、中国を出発して日本へ向かう途中のものでしたが、そこからも、高麗青磁の長方形枕が見つかっており、流通の状況が確認できました。本作は大徳寺芳春院伝来で、小堀遠州(1579-1647)の箱書が見られる、数少ない高麗青磁の伝世品です。

項目 内容
所蔵施設 大阪市立東洋陶磁美術館
作品ID 1276
登録番号 00399
大分類 韓国陶磁
作品名(よみ) せいじようこく そうかくもん まくら
時代1 高麗時代
時代2 12世紀
高(cm) 9.2
幅(cm) 21.5
康津あるいは扶安
コレクション名 安宅コレクション
クレジット表記 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:〓(各画像左下の撮影者名を記入のこと)
重量(g) 1,328