桑の葉の茶碗は禅の世界へのパスポート

重要文化財 木葉天目 茶碗 南宋時代・12~13世紀/吉州窯(住友グループ寄贈/安宅コレクション)写真:六田知弘

茶碗に木葉が舞い落ちたかのような斬新な意匠で、日本では「木葉天目」と呼ばれています。実際、本物の木葉が内面に焼き付けられており、よく見ると虫喰い跡もある桑の枯れ葉が用いられています。宋代の詩人・陳与義(1098-1138)の詩には「桑葉能通禅(桑の葉は禅に通じることができる)」とあり、木葉装飾が禅と密接に関係していることがうかがえます。本作は加賀藩主前田家伝来で、伝世の木葉天目の最高傑作として名高いものです。

項目 内容
大阪の力 芸術の力
所蔵施設 大阪市立東洋陶磁美術館
カテゴリー 高精細