港の繁栄を刻んだ一作

織田一磨《安治川口》(版画集『大阪風景』より)1918年(大正7)

織田一磨は、近代日本を代表する版画家の一人であり、石版画を商業印刷から芸術の域に高めました。1917–19年(大正6–8)制作の石版画集『大阪風景』は、先行する『東京風景』と並ぶ代表作です。当時は、中之島西端から海に流れる安治川と木津川が、「水都」大阪の港として中心的な役割を担いました。《安治川口》も港の繁栄を伝える一点で、大小の船が夕陽を背に影を落とし、大胆な明暗のコントラストが印象的です。

項目 内容
大阪の力 都市の力
所蔵施設 大阪中之島美術館
カテゴリー 高精細