ある絵描きが見た、幕末の大坂

「浪華勝概帖」より「合法ヶ辻」 松川半山筆 江戸末期・19世紀中頃

江戸時代末期の大坂へ赴任した幕府代官の竹垣直道が、大坂の絵師たちに様々な画題を描かせて大阪土産として江戸へ持ち帰った画帖です。上田公長、松川半山、森一鳳ら、大坂の名手といわれた絵師の作品が貼り込まれ、幕末の大坂人の暮らしぶりが視覚的に確認できます。「合法ヶ辻」は四天王寺西門を下ったあたり、閻魔堂の前を通りがかった若い母が、こどもたちに「悪事を働くと地獄で閻魔王の裁きを受けねばなりません」と諭しています。テレビや写真が無かった時代、人々は画帳をめくりながら土産話に花を咲かせたのでしょう。

項目 内容
大阪の力 市民の力
所蔵施設 大阪歴史博物館
カテゴリー 高精細