デジタル大阪ミュージアムズを学校の授業で活用いただきました

2024年12月24日(火)

大阪府立たまがわ高等支援学校から、デジタル大阪ミュージアムズの中の「大阪の宝」(https://dom.ocm.osaka/treasure)を活用した、美術の授業の実践事例を寄せていただきました。
鑑賞学習だけでなく、制作活動にも活かした事例です。
生徒のみなさんの作品も紹介していますので、ぜひ、ご覧ください。

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デジタル大阪ミュージアムズの「大阪の宝」を、学校の授業に活用しました。

授業考案:大阪府立たまがわ高等支援学校 釘貫ひとみ
対象学年:第1学年 52名 6クラス

 大阪・関西万博で大阪を訪れる方々に「『大阪の宝』を紹介すること」を目的に、鑑賞、模写、デジタル画制作、の3つを含んだ学習です。
 本校では、1人1台のタブレット端末(iPad)を使った教育活動を行っており、美術科でも積極的にICTの利点を生かし、デジタルでの制作を取り入れています。
 まず、生徒は、「大阪の宝」サイト(https://dom.ocm.osaka/treasure)にある作品を鑑賞し、その中から「ぜひ紹介したい!」と思う作品を1つ選び、鑑賞ワークシートを作成し、完成させます。

 次に、選んだ作品を模写します。タブレットで作品を表示し、鉛筆で描きます。
  模写した絵をタブレットで撮影し、デジタルで着色します。

 そして、この作品から気づいた点、作品から感じ取った作者の意図・思い、自分の作品作りに活かせる良さを文章で記入します。
 最初に模写をしてから気づいたことを文章にすることで、作品をただ眺めるだけの鑑賞よりも、作品に対する理解と思い入れを深めることを期待します。
 最後に、選んだ作品ページのURLを利用し、生徒自身でQRコードを作成し、鑑賞ワークシートに貼付します。このQRコードを活用することで、生徒作品を鑑賞しながらサイト上の作品も鑑賞するという、ハイブリッドな方法で鑑賞します。
 いままで美術館を訪れたことのある生徒は1割未満というアンケート結果でした。この授業の目的は、「社会資源である美術館を利活用できる生徒を育成する」ことです。そのために、まずはタブレットで美術館を訪れ、生徒たちに美術作品を鑑賞することへの興味・関心を持たせるために、この授業を考案しました。
 作品鑑賞では、生徒作品とサイト上の作品を同時に鑑賞するというハイブリッドに鑑賞することで、自分と同じ作品を模写した人の作品を見て新たな発見をしたり、QRコードを読み込むことで簡単に実際の作品を表示できるうえに、手軽に解説を読んだり作品を見たりできる楽しさとの相乗効果で、活発な鑑賞活動する様子が見受けられました。

 生徒はYouTube やTikTokなどの動画視聴、アニメやゲームの登場キャラなどに興味を持っていることがほとんどであり、余暇の時間を美術館で過ごすという選択肢は、あまりないというのが現状です。在学中に美術館の作品に興味を持たせるためには、眺めるだけでなく、作品を模写したり、デザインに活用するといった活動を通じて、自分の手で再現することや、鑑賞の機会を設けて何度も作品に触れることが非常に大切だと考えます。
 この授業を振り返り、感じた手ごたえとして、以下の3つが挙げられます。

  1. 「大阪の宝」サイトを何度も訪れることで、デジタルで作品鑑賞することに慣れたと同時に、歴史の中で文化を築いてきた本物に触れることに対する好奇心を持ち始めた。
  2. 鉛筆で模写し、デジタルで描画制作することで、作品を再現する楽しさを実感した。
  3. 自作の作品、友だちの作品、そしてサイト上にある実際の作品をハイブリッド鑑賞をしたことで新たな発見をし、作品への興味・関心と愛着の思いが生まれた。

では、生徒作品をご覧ください。
<全生徒の作品>



<各クラス1名ずつの作品>





<授業の詳細>